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ゴーゴー幽霊船 第2話
それからも、お姫様は笑いませんでした。いくら美味しいお料理が出ても、美しい花が咲いても、お姫様の瞳が輝くことはありませんでした。
あまりに笑わないお姫様を見て、王子はその原因を知りたくなりました。もし、それを解決する術があるのなら・・・。王子は覚悟を決めました。
とある星が綺麗な夜、お姫様はバルコニーに呼ばれました。
「どうしたのですか、ティム。」
今にも消えそうな声で、お姫様が尋ねました。
「いきなりごめん。いつか君に訊きたいことがあってね。
君は、どうして笑ってくれないんだい、何かつらいことでもあるのかな。」
王子は、優しく問いかけました。
「貴方にも私にも、きっとできないことだわ・・・。」
お姫様は小さく呟きましたが、王子は力強く言いました。
「いや、僕は何だってやる。だから、・・・教えてくれないかい、何があったか。」
お姫様は、星を仰ぎ見ました。そして、あの少年のことを話しました。
王子は、どうしたものかと考えました。アリバイのない友人、濡れ衣を着せられた少年。しかも、彼らに会いに行く為だけにお姫様が城を出るなんて、王子にも考え難いことでした。ただ、王子は、どうしてもお姫様の笑顔が見たくて仕方ありませんでした。その一心で、ついに王子は少年の友人が起こしたとされる事件について調べることにしました。
つづく